労働時間等設定改善法
読み方:ロウドウジカントウセッテイカイゼンホウ
労働時間等設定改善法とは
労働時間等設定改善法とは、「労働者がその有する能力を有効に発揮できるようにし、労働者の健康で充実した生活の実現に資することを目的とする」(法第1条より)法律です。1992年に完全週休二日制の普及を目的とするため制定された、2006年3月31日までの時限立法である「労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法」が前身となっています。この法律は、長時間労働に従事する労働者を減らし、有給休暇取得割合について引き上げることを目標としています。
労働時間等設定改善法での指針
労働時間等設定改善法では、法第4条により「適切に対処するために必要な指針」の作成が制定されています。指針に記載されている事項は以下のものです。
- 労使間の話し合いに関する整備
- 年次有給休暇を取得しやすい環境の整備
- 時間外労働や休日労働の削減
- 育児・介護を行っている労働者や単身赴任中の労働者などへの健康と生活への配慮
- 他事業者との納期や発注への配慮
これらの指針をもとに、各企業は労働時間等の改善に努めています。
労働時間設定改善法と働き方改革の関係
2018年の働き方改革関連法成立によって、労働時間等設定改善法で定められた方針も改正されました。具体的には、以下のものが挙げられます。
- 勤務間インターバル制度の導入促進
「勤務間インターバル制度」とは、従業員の終業時間から翌日の始業時間の間に、一定の休息時間(インターバル)を企業側が確保することを指します。働き方改革関連法成立後はこれが努力義務となり、従業員の健康や安全を確保するために十分な時間を取得することが推奨されています。
- 取引先に対する配慮
当該企業と取引先業の間で、納期を極端に短く設定しないように努めることや、発注の内容を頻繁に変更しないように努めることが新たに規定されました。長時間労働につながる取引を是正することが目的です。
- 労働時間等設定改善委員会の仕様変更
働き方改革関連法の成立により、労働時間等設定改善委員会を企業単位で設けることが可能になりました。労働時間等設定改善委員会とは、労働者の健康や安全に配慮しながら、多様な働き方に対応する職場環境づくりの一環として設けられる団体です。