法定外福利厚生
読み方:ホウテイガイフクリコウセイ
法定外福利厚生とは
福利厚生とは、従業員とその家族が健康や生活を維持できるように企業側が行う施策です。福利厚生には、法定福利厚生と法定外福利厚生の2種類あり、法定外福利厚生は企業側が自由に設定できる福利厚生です。そのため、企業によっては独特の施策が設けられているものもあります。
法定外福利厚生の種類
- 住宅・通勤
住宅では、住宅ローンを補助する取り組みや、アパートやマンションの家賃を補助する施策、社員寮や社宅を整備し提供するものがあります。通勤では、電車やバスの定期代を給付します。
- 慶弔・見舞い
従業員が結婚・出産したときの祝い金や、本人またはその家族が死亡したときに弔慰金、病気療養や自然災害に遭ったときに見舞金を支給する取り組みです。
- 休暇
従業員の業務とプライベートの両立を図るため、企業が有給休暇とは別の休暇を設けます。一例を挙げると、リフレッシュ休暇やボランティア休暇、慶弔休暇などです。
- 健康や医療
従業員に対する健康増進のために作られた施策です。主な例として、人間ドックの費用補助や企業内のフィットネス施設の利用費補助があります。また、2015年の労働安全衛生法改正から、これまでよりもメンタルヘルスケアを重視する企業が増加傾向にあります。
- 財産形成
この種類の取り組みでは、従業員やその家族などの将来的な安心につなげるため、資産形成や運用を支援します。従業員の生活維持やマイホーム取得のための貯蓄を行う財形貯蓄制度、事前に決められた価格で株が購入できるストックオプション制度などがあります。
- 従業員交流
交流会や親睦会、忘年会などを通じて、従業員のコミュニケーション活発化や従業員同士の親睦を深めることが目的です。
- スキルアップ
従業員の知識やスキルの向上を目的として、資格取得者の表彰や講習会の開催を行います。得られた知識やスキルは従業員のキャリア形成につながり、企業の生産性向上も期待できます。
法定外福利厚生の待遇格差
法定外福利厚生は、実施する内容が性別の違いによって変更することがあってはならないと男女雇用機会均等法で規定されています。また、正社員と契約社員やパートタイム労働者の間に、法定外福利厚生の待遇格差があることについて問題視されていました。格差是正のためにパートタイム・有期雇用労働法が大企業は2020年4月1日から、中小企業は2021年4月1日より適用されました。