障害者雇用促進法
読み方:ショウガイシャコヨウソクシンホウ
障害者雇用促進法とは
障害者雇用促進法(正式名称:障害者の雇用の促進等に関わる法律)とは1960年7月に施行された、障害者が安定した職業を得ること、職業経験を経て自立することを促進する法律です。障害者とは障害者雇用促進法の第二条において「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害も含む)、その他心身の機能があるため、長期にわたり職業生活に相当の制限を受けまたは職業生活を営むことが著しく困難な者」と定義されています。この法律の具体策は「障害者雇用率の制定」「差別禁止と合理的配慮提供の義務付け」「職業リハビリテーションの推進」の3つです。
障害者雇用促進法の具体策
- 障害者雇用率の制定
民間企業や国、地方公共団体は障害者を一定数雇用する指標が法定雇用率として定められています。2023年時点に同法で定められている法定雇用率は2.3%で、43.5人以上の従業員を雇用している企業は、障害者1人以上の雇用が必要です。法定雇用率を満たさない企業は不足人数が1名につき50,000円の納付金が徴収されます。一方で法定雇用率を満たした企業は調整金や助成金が支給されます。2018年4月の法改正にともない、これまで対象に含まれていなかった精神障害者(発達障害含む)も雇用義務化の対象となりました。
- 差別禁止と合理的配慮の提供の義務付け
障害者雇用促進法では、差別禁止と合理的配慮の提供が義務付けられています。差別の具体例として「障害者であるという理由で応募を受け付けない」「教育訓練を行わない」「賃金を不当に下げる」などがあります。同法律の第35条でも禁止されています。
合理的配慮とは障害者が他の社員と同様に働けるように、一人ひとりの特性にあわせて負担にならない程度の調整や変更を行うことです。たとえば「車いす用のスロープを用意する」「バリアフリートイレを設置する」「定期的な面談の実施や社内カウンセラー・産業医による相談」「出退勤の時刻変更」などがあります。
- 職業リハビリテーションの推進
職業リハビリテーションとは、障害者の特性に合った職業につき、就業を継続できるように支援するサービスです。サービス内容は入所前に行われる「職業評価」、職業評価で得た情報を元に本人の資質にあわせて指導を行う「職業指導」、障害特性を理解し支援対象者にあった仕事を紹介する「職業紹介」、そして就労後も一定の特別な配慮で企業に雇用される「保護雇用」が挙げられます。職業リハビリテーションは、公共職業安定所(ハローワーク)・障害者職業センター・就労移行支援事業所などで利用可能です。