勤務延長制度
読み方:キンムエンチョウセイド
勤務延長制度とは
勤務延長制度とは定年に達した従業員の勤務を延長する制度で、継続雇用制度の一つです。労働時間や賃金などは正社員時代と変わらず、退職金も延長期間が終了し退職する時まで支給されません。
勤務延長制度の導入状況
2021年4月に改正された高年齢者雇用安定法の施行に伴い、従来の65歳までの定年年齢引き上げ義務とともに、70歳までの勤務延長制度の導入が努力義務となりました。
厚生労働省が2022年に発表した「令和4年就労条件総合調査」において、勤務延長制度のみを導入している企業は10.5%です。
勤務延長制度のメリット・デメリット
勤務延長制度のメリットは、シニア社員(55歳以上の社員)のために新たな役職の用意や環境整備の必要がない点です。定年退職前と同等の条件で勤務が可能なため、シニア社員のモチベーション維持が期待できます。デメリットは全シニア社員を制度の対象とした場合、人件費の増加が生じやすい、世代交代が進まない可能性がある点です。
勤務延長制度の関連語
- 継続雇用制度
継続雇用制度とは社員本人の希望により、定年後も継続して雇用する制度です。継続雇用制度には勤務延長制度と再雇用制度が含まれます。
- 再雇用制度
再雇用制度とは一度定年退職した社員を嘱託社員や契約社員など、異なる雇用形態で再度雇用する継続雇用制度の一種です。労働時間や賃金が正社員時代と変わらない勤務延長制度とは異なり、再雇用制度は労働時間や賃金などの変更があります。また厚生労働省が2022年に発表した「令和4年就労条件総合調査」によると、再雇用制度を単独で導入している企業の割合は63.9%と公表されています。