階層別教育研修
読み方:カイソウベツキョウイクケンシュウ
階層別教育研修とは
階層別教育研修とは役職や年齢、勤続年数や習得スキルなどで社員を分類し、それぞれの階層に応じて研修を行うことです。主な目的は業務に必要なスキル・知識の底上げや、自ら学習する姿勢を身に付けることです。「階層」とは新入社員や若年層社員、管理職といった役職や立場を指します。たとえば、入社直後の社員を対象とした「新入社員研修」、管理職を対象とした「管理職研修」などが階層別研修に該当します。階層別教育研修は、通常業務から離れて必要な知識やスキルを学習するOFF-JT(Off-the-Job Training)の一種です。厚生労働省により調査が行われた「OFF-JTの実施状況」では、階層別教育研修を実施している企業は約70%(正社員非正社員問わず)で、多くの企業で導入されていることが判明しています。
階層別教育研修のメリット・デメリット
階層別教育研修のメリットは、階層に分けて研修を実施するため必要なスキルや知識を均一に習得可能な点です。また、階層ごとに研修目的や内容を明確化し、簡易的なマニュアルを作成することで、従来の研修と比較して人材育成のコスト削減も可能です。デメリットとしては、研修の形骸化や、コンセプトが曖昧になる恐れがある点です。対策としてはコンセプトの定義化、業務時間内での研修の組み込みなどが挙げられます。
階層別教育研修の代表例
- 新入社員研修
主に入社直後の社員が対象となる研修です。新入社員が企業の一員となって働く際に必要なビジネスマナーの基礎を学習します。具体的には言葉づかい・身だしなみ・電話応対や名刺交換などが挙げられます。
- 若年層社員研修
主に入社3年から5年の若手社員が対象となる研修です。研修目的は仕事を効率的に行うためのスキル取得や、主体性を身に付けて組織のために活躍する人材を育てることです。研修内容はOAスキルの向上やマインド・ストレス管理などが挙げられます。
- 管理職研修
管理職が対象となる研修です。年齢は関係なく、管理職となったタイミングで研修を受けるケースが多いです。また経験の有無によって研修内容が異なります。新任管理職者が対象の研修内容は管理職としての心構えや企業コンプライアンスなどです。経験のある管理者が対象の場合は、組織マネジメントやリスクマネジメントなど専門的な知識を学習します。
階層別教育研修の関連語
- OFF-JT(Off-the-Job Training)
OFF-JT(Off-the-Job Training)は通常の業務から離れて、実務に必要な知識やスキルを身に着けるジョブトレーニングを指します。階層別教育研修は、OFF-JTの一種にあたります。実務を通じて教育を行うOJT(On-the-Job Training)と比較すると、教育内容をそのまま実務に適用するのは容易ではありません。しかし業務に必要な知識をインプットし、OJTとの組み合わせや社員に対する自己啓発の推進により実務に活かすことも可能です。
- 選抜研修
選抜研修は企業が選抜した社員を対象とした研修制度です。社員の能力の底上げを目的とする階層別研修に対し、選抜研修は能力の引き上げを目的としています。全社員対象の階層別教育研修とは異なり、基準を満たせる社員が選抜されて研修を受けるため、人材育成のコスト削減や迅速な人材育成が期待できます。
- 職業別研修
職業別研修とは営業や販売、人事や技術職など各職種において業務上必要なスキルを身に付けるための研修制度です。営業職を対象とした研修の代表例には、提案力や営業戦略思考の向上、営業マインドの醸成などが挙げられます。
- テーマ別研修
テーマ別研修とは特定の課題にアプローチして対策するための研修です。課題例としてはビジネスマナーやコミュニケーションスキルなどが挙げられます。