IP-VPN
読み方:アイピーブイピーエヌ
IP-VPNとは
IP-VPNとは、通信事業者が提供するIP(Internet Protocol)を用いた閉域網を利用するVPN (Virtual Private Network)です。閉域網とは、外部から遮断されているため第三者からアクセスが不可能で、契約者だけが利用可能な通信ネットワークです。VPNは「仮想通信線」とも呼ばれ、公衆のインターネット網であるADSLや光回線でも、物理的な専用線のように安全性の高い仮想通信ネットワークとして構築する技術を指します。
IP-VPNの特徴
IP-VPNは公衆のインターネット網を利用するインターネットVPNと異なり、通信事業者が提供する専用のネットワーク網を使うため、機密性に優れている通信です。また公衆回線の混雑具合に影響されず安定した通信速度を保つことが可能であり、セキュリティや通信品質の点では専用線に近い環境を実現します。しかしその反面、コストが高くなりやすい、通信環境を整える必要があるためすぐに開通できないなどの欠点があります。
VPNの種類
- インターネットVPN
インターネットVPNとは公衆のインターネット網を利用して構築されるVPNです。インターネットVPNの利用により、単にインターネット網を通じて通信を行うよりもセキュリティを高めます。また、公衆のインターネット網を利用するため、導入コストを抑えられます。
- 広域イーサネット(L2‐VPN)
広域イーサネットとは通信事業者が独自に用意した閉域網を利用するL2(レイヤ2)のVPNです。L2とはネットワーク・プロトコルの機能を7つの階層に分ける、OSI参照モデルの第2層(データリンク層)を指します。L2で通信するためさまざまなプロトコルで柔軟なネットワーク設計が可能であり、距離のあるLAN同士でも1つの大きなLANとして構築できます。
- エントリーVPN
比較的安価なADSLや光回線などのブロードバンド回線を、通信事業者が供給する閉域網として接続するVPNです。公衆のインターネット網を経由せずに閉域網に接続するため、インターネットVPNより安全性が高く専用線より低コストです。ただし、ブロードバンド回線を使うため、通信品質や通信速度ではIP-VPNや広域イーサネットより劣ります。