コラム

2024.03.07

給与計算システム導入のポイント | 基礎からトレンドまで

給与計算システム導入のポイント | 基礎からトレンドまで

はじめに

賃金支払いは労働基準法第24条で「毎月1回以上定期払いの原則」が定められており、給与計算は最低でも月1回の頻度で定期的に行う必要がある業務です。必要な専門知識や確認すべきデータは多く複雑で難しい業務ですが、法規制や計算方法が変わる頻度は決して多くないため、うまく自動化できれば大きく業務負荷を減らせます。
そこで本記事では、給与計算を効率化してヒューマンエラーを減らす給与計算システムに関する、基礎知識や選び方のポイントなどについて解説します。

給与計算システムとは

給与計算システムは給与計算ソフトや給与管理システムとも呼ばれ、煩雑な給与計算業務の一部を自動化するツールや、ツールによって構築される仕組みを指します。
給与計算システム導入のメリットは、基本給や各種手当といった各種データと計算式を設定して定期的な作業を自動化できるだけではありません。法規制や社内規定の改正時にも従業員一人ひとりについての修正は不要であり、全体的な計算式や処理フローを修正するだけで対応できるのもメリットです。

給与計算を主軸にした製品以外に、さまざまな機能の1つとして給与計算機能を備えた大きなシステムも増えており、自社に最適な製品選択は難しくなっています。導入を成功させるためには「給与計算システム」だけでなく、給与計算業務の基礎やデータ活用全般のトレンドといった知識をもとに総合的に検討することが重要です。

給与計算業務の基本的なフロー

給与計算業務は、計算とそれに付随する事務作業に分けられます。計算自体は「総支給額の計算」と「控除額の計算」、そして2つの計算結果である総支給額から控除額を引いて求める「支給額の計算」の3工程で構成されます。給与計算業務は計算だけでは完了しません。「振込手続き」や「給与明細書の作成と送付」といった事務作業が付随します。それぞれ工程ごとに人事や経理など必要とする知識や業務内容が大きく異なるため、基本的なフローに沿って、業務ごとに概要と対応する給与計算システムの機能について紹介します。

・総支給額の計算
総支給額は正社員やアルバイト、派遣社員、契約社員など雇用形態ごとの給与と計算式を入力しておくだけでは計算できません。基本給や各種手当、勤怠情報、人事など従業員データに紐づけられたさまざまなデータが必要です。
給与計算システムを導入すれば、勤怠や人事などに対応するシステムと給与計算システムを連携させる、または同一システムで給与計算と各種データ管理を行うといった方法で、計算に利用するデータ収集から総支給額計算を効率化できます。計算に必要な項目数や数値は企業ごとに異なるため、システムにはそれに対応する柔軟性が求められます。

総支給額の内訳の例
  • ・基本給
  • ・時間外勤務手当
  • ・役職手当
  • ・非課税通勤手当
  • ・地域手当
  • ・家族手当

・控除額の計算
控除額の計算には、所得税や住民税といった税金と社会保険料に関する知識が不可欠です。税制や保険料改正の際には素早く正確な対応が求められますが、給与計算の担当者全員が常に最新の法規を把握し続けるのは大変です。
給与計算システムを導入すれば、改正の際にシステムアップデートや設定変更で対応できるため、担当者全員が詳しく改正内容を把握する必要はありません。また計算に際して必要な法定三帳簿と呼ばれるデータを管理できることも強みです。法定三帳簿とは、労働者を雇い入れた際に作成して定められた期間保存することが企業に義務付けられている「賃金台帳」、「労働者名簿」、「出勤簿」です。労働保険や社会保険の手続きだけでなく労働基準監督署の調査でも必要になります。給与計算システムは一般的に「賃金台帳」に必要なデータを完備しており、製品によっては「労働者名簿」と「出勤簿」にも対応しています。この法定三帳簿以外にも、2019年4月施行の働き方改革関連法案で義務化された「年次有給休暇管理簿」や社会保険台帳の管理、給与や勤怠データから源泉徴収額を自動計算して年末調整に対応した機能を持つ製品もあります。

・支給額の計算
給与計算システムの多くは、総支給額と控除額を計算すると同時に、総支給額から控除額を減算して支給額を自動計算できます。

・振込手続き
銀行まで出向いて手続きする、もしくはネットバンクを利用して手入力で振り込むのは非効率的です。給与だけでなく保険料や税金に関しても必要なため、振込手続きの自動化は価値が高いといえます。
多くの給与計算システムは振込手続きの自動化にも対応しています。システム内で計算から振込までまとめて行えるため、効率化だけでなく入力ミスや振込漏れのリスク低減にも効果的です。

・給与明細書の作成と送付
所得税法では「企業が従業員に給与明細を発行する義務がある」と定められています。近年では各事業所に勤務する従業員宛ての明細書をまとめて送るだけではなく、在宅ワークの従業員それぞれの自宅に送る必要が生じるといったこともあり、業務負荷や費用が増える傾向にありました。
給与計算システムを導入してWeb上で給与明細を確認できる仕組みを構築すれば、担当者の明細書の作成と送付業務を省けるだけでなく、従業員の給与明細に関する問い合わせ対応も不要になります。

従来のアナログ給与計算の抱える課題

給与計算システムの導入で解決できる、従来のアナログ給与計算の課題を改めて整理します。どの課題も「自動化」で解決できますが、自動化する範囲によってそれぞれの課題解決の効果が変わるため、事前に自社の課題を具体的に把握しておくとスムーズに製品を選べるでしょう。

・作業負荷
「作業負荷をどのように減らすか」は、給与計算業務の大きな課題でした。人事や勤怠などさまざまなデータが必要なため、どうしても業務は給与の締め日前後に集中してしまいます。また税金や保険料の処理など社内都合でタイミングを変えられない作業もあります。
そこで大きな負荷になってしまっている作業を具体的に把握し、自動化できる製品を選びましょう。たとえば給与明細の作成と送付に関わる作業負荷が大きい場合は、給与明細をデジタル化することで軽減できます。従業員数が多くない、事業所が一か所といった理由で給与明細のデジタル化によるメリットが少ないといった場合もあるため、費用対効果の視点からも検討することが重要です。

・ヒューマンエラー
給与計算には正確性が求められるため、ヒューマンエラー対策も意識したい業務です。担当者の負荷を抑えつつ人力で対策するのは、計算に必要な項目が多いため現実的ではありません。
給与や人事、勤怠管理などのデータをデジタル化して利用できればヒューマンエラーのリスクを減らせますが、データ入力やシステムの運用管理といった新たな作業が必要になります。「デジタル化したデータの品質にムラがある」、「システムの運用ルールが曖昧」といった状態で導入を進めると、新たなヒューマンエラーの温床になってしまいます。無理なく導入を進めつつヒューマンエラーを減らすためには、システム導入前に担当者を決めて教育する、スモールスタートして徐々に運用範囲を広げる、といった工夫が大切です。

・属人化
給与に関する情報は機密性が高いため少人数で計算業務を担当することが多く、属人化が起こりやすい体制になってしまいがちです。業務に関する情報を共有する人数が少ないため、口頭で断片的な情報を都度確認するといった方法が常態化しやすく、細かなルールを整理して文書化できていないケースも少なくありません。
給与計算システム導入は、この属人化問題を解決する絶好の機会です。必要なデータの管理方法と計算業務のルールを整理して文書化し、必要に応じてデータのデジタル化や統合管理、業務フローの単純化を目指しましょう。属人化を解消する取り組みは、急な担当者の休職や退職時の引継ぎにも効果的です。給与計算システムの選択と並行して少しずつ属人化してしまっている業務を標準化しておくと、少人数の担当者に負荷が集中してしまうことを防げます。

機能の範囲から考える給与計算システムの種類

給与計算システムは、機能の範囲に着目すると3種類に分類できます。給与計算に特化したタイプと、給与計算には不可欠な勤怠管理や人事労務などに対応する機能を備えたタイプ、給与計算だけでなく基幹業務全般に対応する機能を備えたERPと呼ばれるタイプです。
給与計算システムの導入を検討する際には、給与計算業務だけではなく関連する業務や基幹業務全体の仕組み化について考え、求める機能の範囲から選択肢を絞り込むといった考え方も大事です。

種類 概要
  • 給与計算に特化したタイプ
  • 機能に絞ったタイプは低コストで導入できます。ただ、給与計算のために他システムで管理している勤怠情報を利用する必要があります。
  • 給与計算だけでなく
    人事労務に対応したタイプ
  • 勤怠管理や労務管理などの人事労務にも対応したタイプを利用すれば、給与計算のために他システムと連携は不要です。
  • ERPと呼ばれる
    基幹業務に対応したタイプ
  • 基幹システムを統合して企業活用に必要なさまざまな情報を一元管理する、ERPと呼ばれるタイプです。多機能なため給与計算以外にも大幅な業務改善効果を見込めます。

・給与計算に特化したタイプ
給与の自動計算や明細発行などに機能を絞ったタイプは低コストで導入できます。
総支給額の計算には、基本給や手当といった情報以外にも勤怠記録をはじめとした従業員ごとのデータが必要です。控除額の計算には、保険料や税金の制度改正、従業員の家族構成の変更といった税金に影響がある情報のアップデートが不可欠です。このタイプの製品はほかのデータ管理システムとの連携が不可欠なため、自社で関連するデータの管理状況を確認しておきましょう。

・給与計算だけでなく人事労務にも対応したタイプ
一部の人事労務にも対応したタイプは、給与計算のためにほかのシステムとの連携が不要な点が便利です。
製品によって勤怠管理や労務管理など対応している機能の細部が異なり、企業ごとの業務にマッチした製品を探せるといったメリットがあります。しかしコストは給与計算に特化したタイプに、機能の網羅性は基幹業務全般へ対応したタイプに及ばないといった弱みもあります。

・基幹業務に対応したERPと呼ばれるタイプ
ERP(Enterprise Resources Planning)は基幹業務のデータを一元管理するシステムです。給与をはじめとした従業員に関するデータだけでなく会計や販売などのデータについても扱い、複雑な給与体系や福利厚生に対応できるのが強みです。
たとえば職種や役職、所属部署など従業員データに関する変更が必要な際に、1か所修正するだけで給与管理や勤怠管理などさまざまな機能で活用できます。多くの業務に関わるデータを取り扱うため、運用コストや習熟の手間などの負荷は大きくなってしまいますが、将来的に給与計算に限らずデータ管理や活用の幅を広げたい場合に向いています。

給与計算システムの利用形態

給与計算システムは利用形態でオンプレミス型、インストール型、クラウド型の3つに分けられます。それぞれにメリットとデメリットがあるため、製品選びの際には機能の範囲だけでなく利用形態にも注意しましょう。

メリット デメリット
オンプレミス
  • ・カスタマイズ性が高い
  • ・情報漏洩リスクが低い
  • ・導入コストが高い
  • ・管理、カスタマイズに知識が必要
インストール
  • ・ランニングコストが不要
  • ・インターネットに接続せずに使える
  • ・端末ごとにインストールが必要
  • ・バージョンアップにコストが必要
クラウド
  • ・導入コストが安い
  • ・バージョンアップは自動更新
  • ・インターネットに接続できれば、どこでも利用できる
  • ・カスタマイズ性が低い
  • ・セキュリティ対策はベンダーに依存する

オンプレミス型
オンプレミス型は自社のサーバ上にシステムを構築して運用します。カスタマイズ性が高く、オンラインに接続しないため情報漏洩リスクが低いといった利点があります。しかし導入コストはほかの型と比べて高く、システムの管理と運用には専門知識が必要です。またオンプレミス型の給与計算システムを導入しても、勤怠管理など給与計算に必要なほかのシステムをクラウド型で利用していると、十分にセキュリティレベルを向上させられない場合があることも覚えておきましょう。

インストール型
インストール型は、ソフトウェアを端末にインストールして使用します。オンプレミス型に比べてカスタマイズ性は低いですが、導入コストを抑えつつオフラインで利用できます。しかしインストールした端末でしか利用できないため、リモートワークや複数担当者の利用には向きません。また法改正の度にバージョンアップ費用がかかり、ベンダのサポート体制やアップデートに依存するといったデメリットもあります。

クラウド型
クラウド型は、インターネット経由でアクセスしてデータをクラウド上で管理します。初期コストが低く、リモートアクセスが可能といったメリットがあります。またデータの保管やバックアップ、法令改正へのアップデート対応もベンダに任せられるため管理と運用も簡単です。近年のユーザ増加に伴いさまざまな製品が登場しているため、セキュリティ面で満足できるか、細かい社内規定を反映できるか、といったように具体的なニーズへの対応についてしっかりと確認してから導入を進めましょう。

給与計算システム選びの前に確認しておきたいポイント

給与計算とその関連業務に求められる機能は多岐に渡り、ベンダ企業もさまざまな製品を提供しているため、把握すべき情報量も多く製品選びは大変です。そこで製品同士を比較する前に自社のニーズを整理し、重視するポイントを中心に候補を絞り込むとよいでしょう。

企業規模

従業員数に比例して管理するデータ量が単純に増えるだけでなく、一般的に従業員が増えるにつれて雇用形態や給与体系は多様化するため、企業規模は重要なポイントです。たとえば企業規模の拡大に伴って事業所が増えると、給与明細送付の費用コストが増加して給与明細のデジタル化による効果は大きくなるため、給与計算システムの機能範囲と費用対効果のバランスも企業規模で変わります。ほかにも、給与計算や関連する人事労務データの担当者が異なる事業所に勤務している場合はクラウド型が便利、といったように企業規模によって間接的に使いやすい給与計算システムの利用形態が変わる場合もあります。

データ管理

給与計算に必要なデータの種類は多いため、アナログ・デジタルを問わずデータが社内でどのように管理されているのか事前に確認しておくと、スムーズに導入できます。データをすべてデジタル化している場合は、運用中のシステムとの連携について確認しておきましょう。一方でアナログ管理しているデータがある場合は給与計算システムを十分に活用できないため、デジタル化を進めることになります。給与計算システムとは別のシステムでデータ管理して連携するのか、それとも一元管理できる大きなシステムを導入するのか、関連するさまざまな業務に影響するため全社的な視点での検討が欠かせません。
技術的な部分だけでなく、システム同士を連携して運用することによるセキュリティ強度への影響も考慮すべきです。たとえば、サイバー犯罪に狙われやすく取り扱う情報の価値が高い医療業界や金融業界では、給与計算システムに限らずオンプレミス型がよく利用されています。また取引先に関するデータを狙った「サプライチェーン攻撃」と呼ばれるサイバー攻撃の増加といった問題もあり、データ管理のセキュリティリスクは変化し続けています。このように業種や業態、取引先などの要素によって求められるセキュリティ強度が異なる点に注意しましょう。

就業規則や給与規定

就業規則や給与規定が複雑だと、給与計算システムの設定項目が足りない、複数の条件を適切に処理できないといった場合があります。また近年では在宅勤務など新しいスタイル導入で、就業規則と実際の運用が乖離してしまっている場合もあります。そのうえ社内ルールは徐々に複雑化してしまうため、長期的なシステム運用を考えた際には自社のルールに完璧に対応できる製品を探す前に、一度ルール自体を見直すべきです。
たとえば「四捨五入」と「切り上げ」の項目が混在している、1つの手当に「時間ごと」と「日ごと」の計算方法があるといった処理ミスの原因になりやすいルールは可能な範囲でシンプルに統一しましょう。またルール同士の優先順や例外について明確化しておくことも大事です。

給与計算に限らない、DXにおいて考慮すべきトレンド

給与計算の自動化には多くのデータを利用するため、システム導入の際には給与計算だけでなくデータの管理や活用といったより広い視点での検討が欠かせません。デジタル技術導入やデータ活用全般のトレンドを把握して、自社にとっての将来的なコストベネフィットを検討することで、長期的なコストを抑えつつ効率的にデジタル化を進められます。
ERPを導入する場合には勤怠や人事だけでなく会計や在庫など基幹業務に関するデータを一元管理するため、自然にシステム規模も大きくなります。システムで管理するデータを給与計算だけでなくほかの業務に活用してコストに見合った成果につなげるため、トレンドを考慮しつつデータをどのように活用するかについて検討すべきです。
給与計算に特化した製品を導入する場合でも、勤怠データや人事データの管理方法、体制についての検討は欠かせません。給与計算システム導入のタイミングで、ほかのデータ活用についても並行して推進するか、将来的な拡張性を考えるだけにとどめておくのか、DXのロードマップを意識しておきましょう。

2030年問題と2025年の崖

日本の総人口は2010年から減少局面に入っており、少子高齢化が進むことで2030年には総人口の33%が65歳以上になると推定されます。この少子高齢化により引き起こされる各種問題は「2030年問題」と総称されています。「2030年問題」の1つとして、ビジネス分野で人材不足が大きな課題になると懸念されており、対策としてテクノロジーを活用した生産性向上に期待が寄せられていますが、解決は簡単ではありません。
より急いで対応したい課題もあります。経済産業省は2018年に発表したレポートで、既存システムのレガシー化やIT人材不足といった原因で、2025年以降に最大12兆円/年の巨大な経済損失が生じる恐れがあることを「2025年の崖」と表現しました。
人口減少に伴いシステムの保守や大規模な入れ替えに必要なIT人材も減少していくといった状況下で、企業はこの労働力と社内インフラに関する2つの問題への対処を求められています。自社の戦略と利用するIT技術両方への知見が必要なため、自社だけですべてに対処するのは難しいという企業が少なくありません。給与計算システム導入についての検討に際しては、基幹業務のデジタル化やDXについても検討しましょう。

クラウドサービスの普及

コロナ禍を経て、多くの企業でクラウドサービスが利用されるようになりました。この普及に伴い、クラウドサービスの安全な利用のために各社で社内ネットワークや端末のセキュリティに関する整備が進み、今後新たにクラウドサービスを導入する際の費用は以前より大きく低減されました。また多くのユーザ企業の人材もクラウドサービス利用に慣れてきているため、従業員の学習コストも以前よりも抑えられるようになっています。
国内のパブリッククラウドサービス市場は成長が進み、提供されているサービスも多機能化や高性能化しているため、利用形態については改めて検討すべきです。以前はオンプレミスでカスタマイズが必要だった、というニーズでもクラウドサービスで満たせる場合もあります。

データの一元管理と活用

企業の「ヒト」「モノ」「カネ」といった基幹情報を管理するためのERPだけでなく、顧客を軸に関係する情報を管理するCRM(Customer Relationship Management)のように、データを一元管理しようという動きはさまざまな領域で進められています。これは「データのデジタル化」と「情報通信の高速化、通信量の大容量化」という技術の普及によるものです。また技術進歩はデータ活用にも大きな影響を与えています。たとえばデータ分析でも、「社内ネットワークの性能向上や手元端末の処理能力の増大」がセルフサービスBIの普及につながっています。
マイナンバーのようにこれからも管理したい項目は増え、データ分析をはじめとしてデータ活用の幅も広がるでしょう。そのため将来を見据えてシステムの拡張性はしっかりと確認しておくべきです。

AIやRPAを利用した自動化

近年はAIやRPA(Robotic Process Automation)といった新しい技術を利用した自動化が注目されています。ERPやCRM、SFAといったシステムに新機能としてAIが登場し、複数のシステムやサービスを簡単な定型業務の自動化に利用されてきたRPAと組み合わせるなど、AIの活用方法の検討も進んでいます。将来的には現在よりもさらに自動化できる業務範囲が拡大すると考えられるため、できるだけ早めにデータのデジタル化をについて検討すべきです。データの活用方法やコストを勘案して、給与計算のように将来的にも変わらず必要な基幹業務からデジタル化や自動化を始めるのも手段の1つです。

まとめ

給与計算をシステム化する製品にはさまざまなものがあり、導入を成功させるためには製品に求める機能や自社のニーズ、これからのデジタル技術活用に関するヴィジョンなど、さまざまな要素を勘案する必要があります。また給与計算機能だけではなく基幹業務の効率化やDXについても考えることで、より長期的、全社的な大きな視点で見て効率的な選択ができます。
考えるポイントが多く複雑で社内の知見だけで最適な製品を選ぶのは困難なため、製品選択から導入、運用の定着までに際しては社外の専門家の力を借りるのも効果的です。セラクグループでは、給与計算のシステム化からCOMPANY(R)をはじめとしたソフトウェアの導入・定着サポート、運用人材の派遣まで、さまざまな支援を行っています。お悩みがございましたらぜひご相談ください。

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