オンボーディング
読み方:オンボーディング
オンボーディングとは
オンボーディング(英:On Boarding)は自社が提供するサービスなどを利用しはじめたユーザが、使い方や仕様を理解し、継続利用できるよう導入支援を行うことです。人材育成の現場で用いられることの多い言葉ですが、ここではSaaSなどのカスタマーサクセスにおけるオンボーディングを紹介します。
オンボーディングの効果
オンボーディングは、SaaS(Software as a Service:インターネットを経由して使えるソフトウェアやサービスの総称)やサブスクリプションビジネスにおいて、カスタマーサクセス(ユーザを成功体験へ導くこと)のプロセスとして重要な活動です。SaaSについてはこちらもご覧ください。
オンボーディングによってユーザの満足度を高め、信頼を得ることで顧客ロイヤリティ(特定のブランドやサービスに愛着や信頼を抱くこと)が向上し、LTV( Life Time Value:顧客生涯価値、1人のユーザが生涯を通じて企業にもたらす価値の合計)の最大化が期待できます。
オンボーディングの施策
オンボーディングは、LTVの高い順にユーザを「ハイタッチ」「ロータッチ」「テックタッチ」の3層に分類し、それぞれに最適な支援やアプローチをする必要があります。これをタッチモデルといい、限られたリソースを効率的に活用するための手法です。
- ハイタッチ層の特徴とオンボーディング
ハイタッチ層は、単価の高いサービスを利用しているユーザや、LTVが高く利益に貢献している・貢献されると期待できる層です。ロータッチ、テックタッチと比較するとユーザ数が少なく手厚いサポートが可能になります。個別での親密なサポートや要望に合わせたカスタマイズ、プランの提供といったオンボーディングが有効です。
- ロータッチ層の特徴とオンボーディング
ロータッチ層は、タッチモデルの中間に位置する層です。ハイタッチと比べてユーザ数が多いため、複数のユーザへ向けたセミナーやワークショップの開催など1対多の集団的アプローチが重要です。またユーザの利用状況やヘルススコア(ユーザが今後も自社サービスを継続利用するか測る指標)をもとに、特定のユーザに対しては重点的サポートも行います。
- テックタッチ層の特徴とオンボーディング
テックタッチ層は、タッチモデルの最下層に位置する層です。最もユーザ数が多く個別の手厚いサポートが難しいため、人員を介さずツールやプログラムなどのテクノロジーによるオンボーディングを行います。たとえばステップメールやチャットボット(人工知能を活用した自動会話プログラム)、チュートリアルやマニュアルサイトなどが挙げられます。
オンボーディングの関連語
- アダプション
アダプション(英:Adoption)はカスタマーサクセスのプロセスの1つで、製品やサービス定着に向けたオンボーディング後に行う活用支援です。ユーザがどれだけサービスを活用できているかをヒアリングやデータ収集をもとに、成功につながる活用方法や事例を提案します。アダプションにおいてのサポートは継続利用を促すだけでなく、ユーザの自社やサービスのファンの獲得にもつながります。