2022.10.31

3C分析

3C分析

読み方:サンシーブンセキ、スリーシーブンセキ

3C分析とは

3C分析とは「3つのC」、すなわち顧客・市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の視点から経営分析を行うためのフレームワークです。3C分析はKSF(Key Success Factor:事業の成功要因)を発見することを目的とします。
顧客・市場のニーズの変化、それに対する競合の対策、そしてそれらを前提とした自社の戦略を分析していきます。
ただし、3C分析はあくまで現状把握がメインのフレームワークであるため、情報収集と客観的分析が重視されます。戦略の立案はSWOT分析などで行います。

3C分析の実施手順

3C分析は顧客・市場、競合、自社の順に進めていきます。これは、現在の状況を客観的に把握するためには顧客・市場の視点から分析を始める必要があるからです。

  • 顧客・市場分析
    顧客・市場の分析はマクロ分析、ミクロ分析、顧客分析の順に行います。
  • マクロ分析
    マクロ分析では市場を取り巻く外部環境・社会的変化を分析します。使用するフレームワークはPEST分析です。PEST分析では政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)の4つの観点から検討します。この4つの要素はコントロールすることができないため、自社にどのような影響があるか、今後どのように変化していくかを予測し、それに自社の戦略を合わせていく必要があります。
  • ミクロ分析
    次にミクロ分析です。ミクロ分析では自社の参入している(あるいは参入を検討している)市場の競争環境の変化を分析します。ここではファイブフォース分析を行います。ファイブフォース分析とは、自社にとって脅威になりうる5つの要素を分析することで、競争が発生するカテゴリを特定するフレームワークです。5つの要素とは、新規参入企業・代替品・買い手(顧客)の交渉力・売り手(仕入れ先)の交渉力・既存競合他社です。
  • 顧客分析
    顧客分析の最後は、マクロ要因とミクロ要因が顧客・消費者に対してどのような影響を与えるかを分析します。具体的には購買行動やニーズ、価値観の変化などを調べます。
  • 競合分析
    次に競合の分析です。競合の分析においては2つの視点から行います。競合他社が市場において現在のポジションやシェアを獲得しているという結果面と、競合他社がそのポジションやシェアを獲得できた要因面の2つです。また、自社が新規参入を検討している市場では競合がすでに顧客のニーズを満たしていないか(自社の参入の余地はあるか)も分析します。
  • 自社分析
    3C分析の最後は自社の分析です。顧客分析と競合分析で自社をとりまく環境が明らかになった状態で、自社の競争優位性を探ります。自社分析にはSWOT分析などいろいろな手法が使われますが、それらの手法のうちの1つにVRIO分析があります。VRIO分析は経済価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣困難性(Inimitability)、組織(Organization)の4つの観点から自社の優位性を測ります。VRIO分析では経済価値があるかないかですぐ結果が出てしまう特徴があるため、自社分析ではVRIO分析を単独で行うことはせず、さらにSWOT分析などを組み合わせて分析していきます。
  • KSF発見のためのSWOT分析
    3C分析で自社を取り巻く外部環境・内部環境を把握したうえで、戦略立案・KSFの発見のためにSWOT分析を行います。これは自社の強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4つの項目で分析するフレームワークです。強みと弱みが内部環境(自社)、機会と脅威が外部環境(個客、競合)となります。この4つの項目を検討することで自社の競争優位性を発見し、戦略の策定につなげます。

3C分析を行う際のポイント

3C分析は現状把握のための分析手法なので、分析する際の情報には気を配らなければなりません。基本的には客観的な一次情報を集める必要があります。つまり、あくまで事実に基づいたデータを集めることが重要です。データからどのような意味を見出すかは分析を行う側の役割になります。
もう一つのポイントは、BtoBの領域では自社を取り巻く3Cだけではなく、顧客(企業)の3Cも含めた6C分析が有効であるということです。顧客の抱える問題点を把握することで、よりよい提案を行うことができるようになります。

3C分析の関連語

  • 4C分析
    4C分析とは、顧客価値(Customer Value)、顧客のコスト(Cost)、顧客にとっての利便性(Convenience)、顧客とのコミュニケーション(Communication)の4要素を分析するフレームワークです。顧客価値は利便性だけではなくブランドイメージなども含みます。コストは顧客が支払う費用、利便性は購買行動の際のアクセス(店舗販売、ECサイト両面で)のしやすさ、コミュニケーションはオンライン・オフラインを問わず顧客との接点を考えます。3C分析は最終的に自社の戦略を導き出すものでしたが、4C分析はマーケティング施策を顧客視点から分析する手法になります。また、4C分析と同じくマーケティング施策を分析する手法として4P分析があります。4Pとは製品(Product)、価格(Price)、流通経路(Place)、販促活動(Promotion)の4要素を企業側の視点から分析する手法です。4C分析と4P分析を駆使して具体的なマーケティング戦略を設計することを「マーケティングミックス」と言います。

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